太陽5話 彼の温かい手

翌日の朝…―。

私達は儀式を受けるために、神殿で水鏡を覗く列に二人で並んでいた。

(私が言ったことなんだから、しっかりしないと……)

そう自分に言い聞かせるのに、順番が近づくにつれ、怖さが増していく。

(もし、澄快が映らなかったら)

そんなことを考えてしまい、心がどうしようもなく揺さぶられる。

思わず彼の服を掴んでしまった。

けれど…―。

澄快「そんなとこ掴んでいないで、こうしろよ」

澄快は私の手を裾から離し、大きな手で包み込んだ。

彼の温もりが、私の手に伝わってくる。

澄快「なんだよ! 冷たくなってるじゃねーか!」

○○「少し緊張して・……」

澄快「大丈夫だ。なんかあってもさ、オレがついてるだろ?」

○○「澄快……」

澄快「……真琴がいたら、『だから余計不安なんだよ』とか言われそうだけどさ」

彼の明るい笑顔が、私の不安を和らげてくれる。

澄快「ほら、なんつーの? 占いとかそういうもんだと思えば気が楽だろ?」

○○「占いって……」

澄快「女ってそういうの好きなんじゃねーのか?」

あっけらかんと笑う彼に、重くなっていた私の心が、一瞬にして軽くなったような気がした。

○○「そうだね」

澄快「だろ? まぁ、オレも緊張してんだけどな」

○○「え?」

澄快は意味深に微笑んだ後、私の手を強く握りしめた…―。

 

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