2023-09

水鏡に映る花嫁

月最終話 貴方への物語

私が作ったオムライスを食べ終わると、藤目さんはほっと息を吐いた。 藤目「とてもおいしかったです。やはり、貴方はいい奥さんになれますね」 (私が、いい奥さんに……?) まっすぐに見つめられ、恥ずかしくなって顔を逸らしてしまう。 ○○「あの、私...
水鏡に映る花嫁

月7話 溢れ出す感情

飛鳥さんのことを聞かれて話せないでいると、藤目さんは悲しそうに睫毛を伏せた。 (どうしよう……本当のことを話したら……) 戸惑いを隠せず、私は言葉を詰まらせてしまう。 すると次の瞬間…―。 ○○「……!」 首筋に顔を寄せられて、思わず持って...
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月6話 言えないこと

飛鳥さんと別れた後…-。 もやもやとする気持ちを紛らわすために、私は市場にやってきていた。 (嫉妬……か。飛鳥さんは成功だって言ってたけど) ――――― 藤目『……貴方の運命の人はその方なのでしょう。ならば、それを邪魔するわけにはいきません...
水鏡に映る花嫁

太陽最終話 貴方は私の妻

藤目さんが筆を走らせる音だけが聞こえてくる。 (大丈夫かな・・・・・・) 尋常ではない様子の藤目さんが心配で、私は帰るに帰れずにいた。 けれど藤目さんは、私などいないかのように一心不乱に机に向かい続けて・・・・・・ ・・・ ・・・・・・ そ...
水鏡に映る花嫁

太陽7話 彼の嫉妬

藤目さんは無言のまま、私を部屋の中へと促す。 ○○「・・・・・・!」 部屋の中には書きかけの原稿が散らばっていた。 (藤目さん、原稿の執筆中だったんだ・・・・・・お邪魔だったかもしれない) 藤目「・・・・・・」 藤目さんはずっと黙ったまま、...
水鏡に映る花嫁

太陽6話 無言な彼

飛鳥さんと別れた後・・・-。 さっきの藤目さんの態度を思い返しながら、私は市場にやってきていた。 (嫉妬・・・・・・) ー---- 藤目『・・・・・・貴方の運命の人はその方なのでしょう。ならば、それを邪魔するわけにはいきませんね。 人の恋路...
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第5話 彼の足りない感情

飛鳥さんの大きな声が、神殿に響き渡る・・・-。 飛鳥「おお・・・・・・! 私の運命の相手はあなたでしたか!!」 ○○「!?」 けれど・・・-。 (どういうこと・・・・・・?) 水鏡には何も映っていなかった。 いくら見つめても、ただゆらゆらと...
水鏡に映る花嫁

第4話 私の運命の人

水鏡を見に訪れる恋人達を見ていると・・・-。 藤目「・・・・・・」 藤目さんが口元に手をあてて、ふっと吐息を漏らした。 藤目「さて、そろそろ宿泊先に戻って小説の続きを書かなくてはなりません」 よく見るとその目の下には、微かにクマができていた...
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第3話 彼の知る愛

太陽が高く昇る中、私と藤目さんは、神殿へと急ぐ・・・-。 (よかった、間に合って・・・・・・) 無事に、儀式の前に到着することができた。 神殿にはすでに、婚宴の儀に出席する王族や貴族の方々が集まっている。 (ここで、藤目さんは朗読をするんだ...
水鏡に映る花嫁

第2話 貴方はまるで……

藤目さんの微笑みが、柔らかな陽の光に包み込まれる・・・-。 藤目「・・・・・・」 藤目さんは、まじまじと私のことを見つめてきた。 ○○「あの・・・・・・私、どこか変ですか?」 藤目「素敵なドレスをお召しですね。貴方によく似合っている」 ○○...