2023-08
月最終話 水鏡が映すもの
ユーノ「君に、真っ先に伝えたかったのです」笑顔を見せるユーノさんだけれど、その目はどこか冷たくて…-。ユーノ「ご心配をおかけしました。無事に、修復されました」〇〇「よかった……です」(そういえば……)―――――ユーノ『運命の相手が近くにいれ...
月5話 修復された水鏡
その夜…―。儀式が中止となり、帰るべきか悩んでいた私の元に、水鏡が修復されたという知らせが届いた。(修復されたって……ユーノさんの心に何か変化が?)ユーノさんが祭壇で待っていると使用人の方に告げられ、私は慌てて宿泊先を出た…-。水鏡には、月...
太陽SS ただひとつの誓い
アフロスで執り行う予定だった婚宴の儀は……運命の相手を映し出す水鏡にヒビが入ったことで、中止せざるを得なくなった。誰もいない廊下に、わたしの足音が反響する。ユーノ「うっ……」わたしは鉛のように重い頭を押さえ、ゆっくりと祭壇へと向かっていた。...
太陽最終話 水鏡の誓い
ユーノ『申し訳ございませんが、婚宴の儀は中止となりました。 お引き取り願えますか』神殿の中は、静寂に包まれている。あれから数時間経ってもまだ、ユーノさんの冷たい声が頭から離れない。(ユーノさん……)穏やかな笑みを思い出すと、胸がひどく痛む。...
太陽5話 誰もいない祭壇
その後…-。帰る支度もままならず、私は神殿へと足を運んでいた。祭壇内には誰もおらず、ヒビが入ったままの水鏡がひっそりとたたずんでいる。(やっぱり、直らなかったんだ……)薄い日差しがたゆたう水面に、私はしばらく目を奪われていた。??「〇〇様…...
第4話 ユーノの拒絶
ヒビが入り聖水が漏れ出た水鏡は、夕方になっても修復されることはなかった…-。―――――ユーノ『我は神の子ユーノ。神の代弁者である』ユーノ『水鏡を破壊したのは、ユーノの心。その心が修復されない限り、水鏡も修復されることはない』―――――(あれ...
第3話 突然訪れた危機
貴族の男性としばらく話した後、私はもう一度神殿へと戻ってきた。神殿の外には、他国の王子達が少しずつ集まり始めている。その時、神殿の入り口からユーノさんがこちらに歩いてくるのが見えた。〇〇「ユーノさん!」呼びかけると、ユーノさんは私をまっすぐ...
第2話 ユーノの苦悩
ユーノ「あれは……運命の相手を教えてくれる水鏡です。 運命の相手が近くにいれば水面が光を放ち。 水鏡の前に二人で立った時、隣にいる相手が運命の相手であれば、その姿が映し出されます」神殿に差し込む穏やかな光に、鏡の水面が美しく反射している。(...
第1話 儀式の前日
泡沫の国・アフロス 蒼の月…―。各国から王族が招かれる婚宴の儀に、私もトロイメアの姫として招待されていた。神殿の中に足を踏み入れると、ステンドグラスを通して光が降り注ぎ、幻想的な光景が広がっていた。儀式を翌日に控えた祭壇では、使用人の方達が...