2023-08

通常ストーリー

月SS この感情の名前は……

嵐が去った日から、俺の心は奇妙な感覚に囚われていた。不安とも恐怖とも違う、けれどジリジリと胸の奥を焼きつけるような感覚……(なんだ、これは……)胸の奥を焦がすような感覚を抱えたまま日々を過ごしていたが……俺はやがて、この感情の正体を知る…-...
通常ストーリー

月最終話 このまま二人でずっと

ロッソさんの過去と、その心の闇……それは深くまでロッソさんを蝕み、どうすれば解放されるのか、どうしてもわからないままだった。(どうすればロッソさんを助けられるんだろう……?)いつまでも出ない答えに悩み続けるままに、気がつけば、すでにひと月以...
通常ストーリー

月7話 震える手

突然の激しい雷雨に、ロッソさんも私もすっかり青ざめてしまっていた。ロッソ「……しかし、俺が皆を守らなければ……誰が守る……」自身を叱咤するように、ロッソさんが震えるつぶやきを漏らす。〇〇「無理しないでください、ロッソさん」堪らずに、ロッソさ...
通常ストーリー

月6話 恐れているもの

突如、激しくなった雨と落雷に驚いて、私もロッソさんも会話を止めた。部屋の外に出ると、慌ただしく船員の方達が駆け回っていた。ロッソ「雷……」掻き消えそうな声が耳に届き、ロッソさんを見ると……〇〇「ロッソさん……? 大丈夫ですか!?」ロッソさん...
通常ストーリー

太陽SS 生まれ変わって

あの嵐の日から、数日…―。俺は甲板に一人立ち、風になびく帆を見つめた。(この船に初めて乗ったのは、いつのことだったろうな)帆を支える支柱に手を当てれば、指先が傷跡に触れる。ロッソ「すっかり傷だらけになっちまったよな、お前も」苦楽を共にしてき...
通常ストーリー

太陽最終話 新たな船出

あの嵐の日から、数日・・・―。(あれからロッソさん、何か悩んでるみたい・・・・・・)声をかけようとしても、いつも一人で考えさせてくれ、と部屋にこもってしまう。仕方なく私はロッソさんから離れ、船の手伝いなどをして過ごしていた。(ロッソさんの力...
通常ストーリー

太陽7話 伸ばされた手

激しい雨が船を打ちつけ、雷鳴が私達をあざ笑うかのように轟いている。(船から落とされる・・・・・・!)大きく揺れた船体から振り落とされそうになった私に差し出されたものは・・・―。ロッソ「○○・・・・・・!」(ロッソさん!)ロッソさんの力強い腕...
通常ストーリー

太陽6話 嵐の中で

突然の豪雨と嵐に、ロッソさんと私は部屋から飛び出した。穏やかな景色は一変し、海は大しけだった。激しい雨の中、空が何度も光る度に轟音が響く。船員1「帆を下ろせーっ! 船が倒れるぞ!」船員2「舵がきかねえっ!!」船員3「ロッソ様っ! ロッソ船長...
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第5話 嵐の前の静けさ

―――――ロッソ『ああ、あいつらとの思い出がたくさん詰まってるこの船は……。 姿こそないが、魂が乗船している。そいつを壊せば……。 今度こそ本当に、あいつらを見捨てたことになっちまう』―――――ロッソさんの言葉が、何度も私の頭を過ぎる…―。...
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第4話 幽霊船と呼ばれる所以

ロッソさんの船、バレナロッサ号の航海は続く…―。(ひと月って言ってたけど……いったいどこまで行くんだろう)そんなことを考えていた時、船がある岬で静かに停泊した。(ここ……どこだろう?)辺りはしんと静まり返り、波の音だけが聴こえてくる。(あれ...