第3話 危険なデート

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トルマリ『そんなの全然平気だよ! だって、ぼく男の子だもん!』

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トルマリの美しいブロンドが、そよそよと風になびいている。

(トルマリが、男の子……!?)

リボンを選ぶ可愛らしい後ろ姿を見れば見るほど、私の頭は混乱していった。

トルマリ「可愛いのが見つかった♪ そろそろお城へ向かおうか♪」

〇〇「う、うん」

(やっぱり、男の子だなんて信じられない)

(だって……こんなに可愛いのに)

トルマリ「何~? ぼくのことじっと見て」

そう言われて初めて、トルマリを見つめていた自分に気づく。

トルマリは不思議そうに私を見つめ返してくる。

トルマリ「なになに~? 何かついてる?」

〇〇「ううん、何でもないよ! ただ、あんまり可愛いから……」

(だから、まだ信じられなくて)

トルマリは、まるで私の心を見透かすように、優しく微笑みかけてきた。

トルマリ「ありがと。〇〇は優しいね」

(全然気づかなかった……)

その時…-。

???「君達、可愛いね」

私とトルマリに、二人の男が話しかけてきた。

街の男1「おれ達と一緒に遊ばない?」

(なんだか、ちょっと怖い……)

〇〇「トルマリ。あっちに行こ…―」

トルマリ「いいよ! どこに連れてってくれるの?」

にっこりと笑って、トルマリがそう答える。

〇〇「ト、トルマリ!」

街の男2「ノリいい子って好きだな。楽しいとこ行こうよ」

(トルマリ、すっかり乗り気だ……)

トルマリ「楽しそうだし行こうよ! このままお城に戻るのも退屈だなって思ってたんだ♪」

〇〇「やめようよ」

街の男2「何してるの~、早く行こうよ」

トルマリ「今行く~! 〇〇、行こうよ、ね♪」

トルマリは戸惑う私の手を取った。

トルマリ「せっかくだし、楽しもう!」

軽快な足取りで歩き始めたトルマリの後を、仕方なく追った。

(でも、王子様なのに大丈夫かな)

不安に思いながらもしばらく歩いていると、賑やかな音が響く一角に到着する。

(人がいっぱいいる……それに、すごくうるさい)

街の男1「ここ、いい所でしょ♪」

トルマリ「全然ダメだよ。うるさいし、低俗。他の所に連れてって」

にっこりとトルマリが笑うと、男達はだらしなく頬をゆるめる。

(す、すごいトルマリ……)

街の男2「君、さっきから浮かない顔してるね~。笑顔が見たいんだけどな」

男が突然私に顔を近づけ、表情を伺ってきた。

〇〇「いえ、私は……!」

(トルマリごめん、やっぱり私には無理だ……!)

男達と楽しんでいるトルマリの腕に、そっと手をかける。

〇〇「トルマリ、ね、帰ろう?」

トルマリ「え~もうちょっとだけ、ね?」

〇〇「ト、トルマリ……」

トルマリ「せっかくなんだし、もう少し楽しんでからお城に行こうよ」

街の男1「お城? なになに、メルヘンだね。いいね~そんなノリ大好き」

そう言って、男はトルマリに唇を寄せてきた。

(え? トルマリ!)

その瞬間…-。

トルマリは男の顔面にパンチを放って、倒してしまう。

トルマリ「男同士で気持ち悪いだろ!」

街の男2「え……男?」

その言葉に、周囲がざわつき始めた…-。

 

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