太陽6話 嵐の中で

突然の豪雨と嵐に、ロッソさんと私は部屋から飛び出した。

穏やかな景色は一変し、海は大しけだった。

激しい雨の中、空が何度も光る度に轟音が響く。

船員1「帆を下ろせーっ! 船が倒れるぞ!」

船員2「舵がきかねえっ!!」

船員3「ロッソ様っ! ロッソ船長! どうすれば・・・・・・っ!?」

先ほどの凪いだ海とは真逆の光景に、驚いて声も出ない。

ロッソ「っく・・・・・・なぜ、潮を見誤った。俺としたことが・・・・・・!」

○○「っ・・・・・・」

ロッソさんが悔しげに、船の柱を拳で殴りつけた。

けれどすぐに・・・―。

ロッソ「船を立て直す! 操縦は俺が! それから積み荷を捨てろ!!」

船員達「はいっ!」

○○「ロッソさん、私にも何かできることがあれば・・・・・・!」

その瞬間だった。

○○「っ・・・・・・!」

巨大な波が目の端に入ったかと思えば、どーん、と激しい衝撃を受け、大きく船体が傾いて・・・・・・

ロッソ「○○・・・・・・!」

スローモーションのように、体が傾く。

(落ちる・・・・・・!)

その時、視界に入ってきたのは・・・・・・

私に向かってめいっぱいに伸ばされた、ロッソさんの大きな手だった・・・―。

 

<<第5話||太陽7話>>