第4話 事件の状況整理

グレアム君と二人、洞窟の中で早速事件の調査を行う。

グレアム「さぁ、この手袋をつけて。この場所のどこかに、事件の痕跡がないか調べてくれ」

○○「はい、わかりました」

手袋を受け取りながら返事をすると、グレアム君は真剣な表情で深く頷いた。

グレアム「よし。では早速、念入りに調査だ」

○○「はい……!」

(頼もしいな)

手際よく現場を調べ始める彼にならい、私も調査を開始した…―。

けれど…―。

……

○○「何もないですね……」

グレアム「何かキーになるものがこの辺りで隠されていると、話のテンポがいいんだが……。 とりあえず、これまでにわかっていることをまとめてみよう」

○○「はい」

二人で、岩場に腰を下ろし、これまでの状況整理をする。

グレアム「まず、アトラクションの中で忽然と姿を消したのは、男性スタッフだ。 時間は夜。スタッフ数人で作業途中、最後尾にいた男が突如、消え去った。 すぐさまアトラクション内部を捜したが男の姿はどこにもない」

○○「その時には、なんの作業をしていたんですか?」

グレアム「ギミックの調整を行っていたそうだ」

○○「ギミック?」

グレアム「ああ、ライトの演出だね」

○○「じゃあそのギミックに何かあったとか……」

グレアム「いや、異常がなかったことは確認済みだ」

グレアム君は指先で髪をいじりながら、改めてアトラクションの洞窟内を見渡す。

グレアム「ふむ……これはいよいよ不可解な事件になってきたね。 今まで書いたミステリーが参考になるはずだ。 今一度、整理してみればきっと突破口が……」

そうつぶやいたグレアム君はペンを手に取るや否や、設計図に何か書き込み、ぐるりと回して確かめたりしながら夢中で考え始めた。

(グレアム君、さすがミステリー作家だな)

(こういう謎解きにはすごく夢中になっちゃうんだ)

(頑張ってるんだから、今は邪魔しない方がいいよね)

グレアム「この設計は難解だ。ここがこうなら……」

真剣に設計書と向き合い悩むグレアム君から少し離れて、周辺を散策していると……

ふと、ギミックの横の壁に、一部色の違う部分があるのを発見した。

(これ……何かな?)

不思議に思い、指先で触れた瞬間……

○○「え……!?」

突如、ぐるりと視界が暗転した…―。

 

 

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