ハクさんに抱きかかえられ、城に戻ると……
ハク「……」
ハクさんは、丁寧に私のひざを消毒し、包帯を巻いてくれた。
(あ……)
昨日出会った、怪我をしたうさぎがぴょこぴょこと私のところへやってくる。
(……あなたも、ハクさんに手当てしてもらったんだったね)
(優しい人……)
そう思いながら、じっとハクさんを見つめていると……
ハク「痛むか?」
○○「あっ、いえ……」
ハクさんが、心配そうな眼差しで私を見つめている。
ハク「危ないと思って、力任せにお前の腕を引いた。 ……ああいう時は、加減をするべきなのか? 悪いな……」
(そんな……守ってもらったのは私なのに……)
○○「助けてもらうのに乱暴も丁寧もありません……! ありがとうございました……!」
思わず大きな声を出した私に、ハクさんは目を丸くする。
ハク「お前は……面白い、な」
ハクさんが、ふっと笑みをこぼす。
その笑顔に、私の胸が音を立てた…ー。