第1話 目覚めた王子

宝石の国・メジスティア、星の月…-。

指輪から、まばゆい光放たれて…-。

光の揺らめきの中で、眠りから目覚めたその人が、長いまつ毛に縁どられた瞳を開いた。

??「私は今まで何を……」

〇〇「気がつきましたか? 私は〇〇と申します。あなたは?」

ジーク「私の名はジーク……」

まだ意識がはっきりしないのか、ジークさんはぼんやりと辺りを眺めている。

けれど、その視線が私を捉えた時……

ジーク「あなたは……!」

ジークさんが、大きく息を飲んだ。

〇〇「?」

彼は、私を見るなり跳ね起きて、肩をふるわせ始めた。

ジーク「やっと出会えた……私が探し求めていた人」

〇〇「え……!?」

ジークさんは、驚く私の手を取ると、恭しく跪いた。

ジーク「あなたこそが、運命の人……!」

(運……命……!?)

真っ直ぐに私を見つめたまま、ジークさんが柔らかに微笑む。

(もしかしたら、まだ意識がはっきりしないのかな)

戸惑う私を、きらきらした紫色の瞳がじっと見つめている。

(誰かと、間違ってるのかも……)

〇〇「あの、人違いだと思います」

けれど、ジークさんは私の手をぎゅっと握りながら、ゆっくりと首を横に振った。

ジーク「いいえ、あなたで間違いはありません。 どうか、私にあなたへの忠誠を誓わせてください。ダイヤモンドの乙女よ」

(ダイヤモンドの、乙女?)

突然の言葉に、私はまばたきも忘れ呆然とする。

ジークさんの澄んだ瞳に、私の姿が映し出されていた…-。

 

 

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