月6話 一人の男としてあなたに……

割れんばかりの歓声が、私とジークさんを包んでいる。

その中でも、私にジークさんが紡ぐ言葉がはっきりと聞こえてきた。

ジーク「私はあなたを……。 一人の男として、お慕いしている」

〇〇「……!」

ジーク「私のプリンセス……」

熱い瞳が、私を見つめている。

そっと引き寄せられるままに、私はジークさんの腕の中に包まれた。

(一人の、男として……?)

試合でほてった体の熱と、大きく跳ねる鼓動が、ジークさんから伝わってくる。

〇〇「ジーク……さん……」

ジーク「……!」

我に返ったかのように、ジークさんが私から離れた。

ジーク「わっ……私は、何と失礼なことを!」

〇〇「いえ……」

ジーク「……さあ、帰りましょう。プリンセス」

ジークさんは私に背を向ける。

少しだけ覗く耳が、赤く染まって見えて……

彼に抱きしめられた、私の体もまだ熱を持っていた…-。

 

 

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