月7話 案山子の暴走

リーヤ「大案山子一号、起動…-!!」

リーヤさんのその声と共に……

空をつんざくような激しい音を立てて、大案山子一号が直進する。

カラス一族の襲撃に対抗するため起動されたそれは、今街へと向かっていた。

リーヤ「よし、ここまで順調だ。 このまま街へ突入して、あいつらに目に物見せてやる……!」

リーヤさんは意気込みながら、案山子を操縦していたのだけれど…-。

街の人1「う、あああっ!!」

街の人2「た、助けてくれーっ!」

カラスを撃退しようとして、振り上げた拳は街の塀を破壊し、街灯をなぎ倒し……

カラスを威嚇しようとして光らせた目からは、本物の光線が発射された。

……

リーヤ「く、クソっ! 暴走だ……!」

リーヤさんが慌てて、操縦桿を激しく動かす。

計算機を叩き、ねじを回し、その上何やら魔法のようなものを唱えるも……

リーヤ「どうすれば止まるんだよ……っ!!」

リーヤさんが、操縦桿に拳を叩きつける……

(本当に、どうすればいいの。このままじゃ街が滅茶苦茶に……)

破壊され続けてしまう街に、焦りばかりが募っていった…-。

 

 

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