第1話 再会の夜

記録の国・レコルド 凪の月…―。

賑やかなプリンスアワードは、たくさんの人達の笑顔に包まれて幕を閉じ……

アフターパーティを楽しんで会場を出た頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。

(えっと、招待状に書かれていたホテルはここかな……?)

立派なホテルのロビーに入り、思わず大きく息を吐く。

豪奢な調度品が並ぶ、記録の国随一の格式高いホテルに圧倒されてしまう。

(ゆっくり休んでください、って招待していただいたけど、本当に素敵なホテル……)

思ったよりも到着が遅くなってしまい、手早くチェックインを済ませると…―。

??「あれ、○○ちゃん?」

後ろから落ち着いた声が聞こえて、足を止め振り返る。

○○「……、ジェイさん!」

ひらりと手を振りながら、優雅な足取りでジェイさんが近づいてくる。

ジェイ「○○ちゃんも招待を受けてたんだね」

ジェイさんは、聖職者の国・ノープリーの王子様……

以前会った時と変わらない、屈託のない彼の表情に、ほっと安堵してしまう。

○○「ジェイさんも、こちらにいらしてたんですね」

ジェイ「ああ。俺も同じ招待状を受け取ってね」

私を優しく見守ってくれるような微笑みは、自然と胸の奥を温かくしてくれた。

(ジェイさんの笑顔って、なんだか安心する……)

微かに鳴る鼓動を感じながら、柔らかな絨毯を踏みしめ、ジェイさんの方へ歩みを進めた…―。

 

 

 

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