月5話 頬の熱

柔らかな間接照明の下で、ジェイさんの瞳が頼りなさげに揺れる。

ジェイ「……いや、やめよう。なんでもない」

言いかけた言葉が、それ以上紡がれることはなかった。

ジェイ「……おや?」

代わりに、その瞳が私の顔を覗き込む。

(え? 私の顔に、何か……?)

慌てて頬に手をやると、想像していたよりも熱くなっている。

ジェイ「顔が真っ赤だね。飲ませすぎてしまったかな」

○○「いえ……大丈夫です」

ジェイ「いや、今日はそろそろお開きだ」

立ち上がろうとするジェイさんの腕に、私は手を伸ばす。

○○「……嫌です」

体に宿った熱に浮かされているのか、自然と口から言葉がこぼれてしまう。

○○「もっと、ジェイさんと一緒にいたい……」

ジェイ「……そんなかわいいことを言うなんてね」

なだめるように、ジェイさんが私の頭を撫でる。

その手が温かくて、心地よさに包まれて…―。

(まぶたが……重い……)

ジェイ「○○ちゃん、ほら……」

ジェイさんの声が、優しく頭に響く……

抱きしめられているような心地になりながら、私はそっとまぶたを閉じた…―。

 

 

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