第1話 私のプリンセス

記録の国・レコルド 凪の月…-。

花の香りの風が、柔らかに髪を揺らす昼下がり…-。

数日後に行われるプリンスアワードに招かれ、私は、この歴史ある国を訪れていた。

(ここが記録の国……)

迎えの車の車窓から、たくさんの衛兵さんが捧げ銃をしている姿が見える。

城門を入ってしばらくすると、車が音もなく停まった。

??「お手をどうぞ」

扉が開けられ、誰かが手を差し伸べてくれる。

○○「ありがとうございます」

手を取ろうと顔を上げると、そこには懐かしい笑顔があった。

○○「ジークさん……!」

ジーク「お久しぶりです。あなたがいらっしゃると知り、到着を早めてお待ちしておりました」

宝石の国・メジスティアの王子であるジークさんは、相変わらずの優雅な所作で私の手を取った。

○○「わざわざ出迎えてくださりありがとうございます」

ジーク「お会いしたかった……私のプリンセス」

ジークさんは柔らかに笑い、そっと私の手の甲に唇を落とす。

(私のプリンセスって……やっぱり少し恥ずかしいけれど)

穏やかな陽の光が、彼の頬にまつ毛の影を作っていた…-。

 

 

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