月6話 瞬きの間

翌日・・・-。

少し風が強い昼下がり、私とジークさんは練習用の木剣を手に向かい合っていた。

(ジークさんの隙をついて前に・・・・・・)

兵士さんに教えてもらったことを、何度も頭に思い浮かべる。

○○「約束、覚えていますか?」

(私が勝ったら、ジークさんには無理をせず、休んでもらう・・・・・・)

ジーク「ええ、もちろんです。10本勝負でよろしいですか?」

○○「はい・・・・・・! では!」

ジーク「その前に、私からも一つお願いがあります。 10本のうち、もしも私から一つの勝ちも奪えなかった時は。 私の願いを、一つ聞き届けていただけませんか?」

(ジークさんのお願いごと? なんだろう・・・・・・?)

○○「・・・・・・わかりました」

ジーク「では」

ジークさんが、剣をかまえる。

そして、審判の方が始まりの合図をした、次の瞬間・・・・・・

審判「それまで!」

(え・・・・・・?)

私の剣が、音を立てて割れた。

ジーク「・・・・・・失礼」

私の手から木剣の残骸を取り、彼は余裕たっぷりに笑った・・・-。

 

 

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