第4話 責任と願望

リオン「確かに・・・・・・何も言わないで君を連れてきちゃったのはゴメン・・・・・・。 けど、君とは城の中じゃなくて、外でいっぱいお話したかったんだ!」

城を出て、街にやってくると、リオンくんは再び笑顔を見せてくれた。

(外でお話がしたかったって・・・・・・お城では話せないことだったのかな)

うかがうように、彼を見つめていると・・・-。

リオン「じゃあ、今度はあっちへ行こう!」

楽しそうな笑顔を向けられて、私は外に出たかった理由が聞き出せなかった。

・・・

・・・・・・

リオン「・・・・・・それでね、君が去った後、突風が吹いて、郊外まで飛ばされちゃったんだ!」

すっかり陽気になったリオンくんは、楽しそうに話を聞かせてくれる。

○○「ふふっ・・・・・・大丈夫だったの?」

リオン「全然大丈夫だったよ!」

元気に答えるリオンくんに、微笑みかける。

○○「でもよかった。リオンくんが元気になって」

すると、彼は急に真顔になって・・・-。

リオン「・・・・・・僕、元気がないように見えた?」

○○「うん、お城にいる時はなんだか窮屈そうに見えたから」

リオン「バレてたんだ・・・・・・ははっ、僕すぐ顔に出ちゃうから。 だって、じっとしてるの苦手なんだもん・・・・・・。 君だってこんなに天気のいい日は外に出かけたくなるよね?」

○○「そうだね、特にこんな風の気持ちいい日は・・・-」

リオン「・・・・・・うん!」

私とリオンくんの間を伸びやかな風が吹き抜けていく。

リオンくんはその場に腰を下ろすと、ふと花畑を見る瞳を細めた。

リオン「あのね、僕、こうやって外に出たり、旅をしたり・・・・・・。 いろんな人とお話をするのが大好きなんだ!」

リオンくんは、ライトグリーンの瞳を、きらきらと輝かせている。

○○「うん」

リオン「・・・・・・王子に選ばれたのは、素晴らしいことだと思うけど・・・・・・でも

○○「リオンくん?」

語尾に元気がなくなって、伏し目がちになった彼を振り向く。

すると、小さな指先が、彼の隣に腰かけた私の手に重なった。

リオン「王子様はね、その花を司る精の代表だから、お城にちゃんといないといけないんだって。 でも僕、退屈で退屈で、もう自由に旅することもできないのかなって思ったら、辛くて・・・-」

寂しそうな手が私の手を強く握りこむ。

○○「大変なんだね・・・・・・」

リオン「うん・・・・・・僕もお兄ちゃん達や弟達みたいに、本当は自由でいたいのに・・・・・・」

重ねた手のひらに、ぎゅっと力が込められる。

(リオンくん・・・・・・)

小さな彼の心が、広い自由を望んでいる。

その望みはあまりに純粋で、私は彼に握られた手を離せなかった・・・-。

 

 

 

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