太陽9話 二人の試食会

甘酸っぱい香りの漂う調理場で、コロレさんと淹れたお茶を飲む…-。

コロレ「……おいしいね」

心なしか口数の少ないコロレさんが、私に遠慮がちな視線を向けた後…-。

コロレ「えっと……じゃあ、これ味見してみてもらっていいかな?」

3つのピンク色のチョコレートを私に差し出した。

コロレ「チョコレートにどれだけ果実を練り込むか、いろいろ試してたらはまっちゃって……。 どれが一番好まれるのか、わからなくなってきちゃったんだ」

コロレさんは、困ったように眉尻を下げ微笑む。

ふんわりと柔らかでつかみどころのない笑みに、またとくんと鼓動が鳴った。

〇〇「私でよければ……食べてみますね」

コロレ「うん、ぜひ」

渡された3つのチョコレートを、しっかりと味わって食べてみる。

(どれもすごくおいしい。だけど、この中から一番を選ぶんだよね)

コロレさんが、目をしばたたかせながら、私の回答を待っている。

コロレ「……どう?」

〇〇「どれもおいしいんですが……強いて言うなら、これかなって」

口当たりがよかった、3つの中の一つのチョコレートを指し示す。

すると……

コロレ「わあ、やっぱり?」

コロレさんは、花を咲かせたような満面の笑みになった。

コロレ「僕もこれが一番おいしいって思ったんだよね」

コロレさんは心底安心した様子で、ぱりんと一口、そのチョコを口に放った…-。

 

 

 

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