2023-03

王子様達のおもてなし

月SS 身を委ねて

部屋から出ようとした俺は、○○ちゃんによって呼び止められた…―。 ジェイ「俺だって、君を離したくないって我慢していたんだ。 だから、今夜は君を離さないよ」 そう告げて唇を重ねると、彼女は瞳を閉じ、俺に身を委ねる。 腕の中には確かに彼女がいて...
王子様達のおもてなし

月最終話 終わらない夜

ぼんやりと、意識だけが浮上する。 (あれ……私、今どうしてるんだろう?) ふわふわと、どこか漂っているような感覚が私を包んでいた。 (浮いてる……? 私、運ばれてるの……?) ??「○○ちゃん……」 優しい声が、私の名前を呼ぶ。 (穏やかな...
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月5話 頬の熱

柔らかな間接照明の下で、ジェイさんの瞳が頼りなさげに揺れる。 ジェイ「……いや、やめよう。なんでもない」 言いかけた言葉が、それ以上紡がれることはなかった。 ジェイ「……おや?」 代わりに、その瞳が私の顔を覗き込む。 (え? 私の顔に、何か...
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太陽SS ずっと隣に

夜空には、美しい星が煌めいている。 俺と○○ちゃんは手を握り合ったまま、その空を見つめていた。 ○○「ジェイさん……ジェイさんには、夜空の星の光は、暗過ぎますか?」 ジェイ「星の光、か……」 瞬く星々は夜空を埋め尽くすように光を放っている。...
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太陽最終話 昼も夜も一緒

ジェイ「いや……言わなければならないのは、俺の方かな」 (ジェイさん……?) その言葉の真意がわからないままエレベーターホールにたたずんでいると、ベルの鳴る音が聞こえた。 扉が開き、光がこぼれる。 無人のエレベーターは誰も下ろさず、誰も乗ら...
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太陽5話 悲しげな瞳

ピアノの旋律が、切なく室内に響いている…―。 ジェイ「ああ、いや……君をもてなしたいと思って声をかけたつもりだったんだ。だけど、俺は…―」 どこか悲しげな色を瞳に湛えながら、ジェイさんが、言葉を続ける。 ジェイ「俺は……自分が寂しかったのに...
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第4話 甘い香りのカクテル

バーカウンターに腰を下ろすと、眼前には美しい夜景が広がっていた。 まだ街の眠りは浅いのか、あちらこちらに明かりが灯って星空のように瞬いている。 ○○「窓が広いんですね。とても綺麗……」 ジェイ「まるで天空の城だろう? この眺めも気に入ってい...
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第3話 光の当たる世界

夜の美術館には人はほとんどおらず、ひっそりと静まり返っていた。 一歩、足を踏み入れると、厳かな空気が私を包み込む。 (すごく綺麗) 広い回廊に飾られた美術品は、淡い光に包まれてその輪郭を浮かび上がらせていた。 (まるで、作品そのものが輝いて...
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第2話 ナイトミュージアム

豪奢な調度品に彩られたホテルのロビーの中央で、私はジェイさんと向き合った。 ○○「ジェイさん、もしかして今からお出掛けですか?」 品のいいジャケットを身にまとうジェイさんは、以前とは違う雰囲気を醸し出している。 けれど相変わらず穏やかな笑み...
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第1話 再会の夜

記録の国・レコルド 凪の月…―。 賑やかなプリンスアワードは、たくさんの人達の笑顔に包まれて幕を閉じ…… アフターパーティを楽しんで会場を出た頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。 (えっと、招待状に書かれていたホテルはここかな……?) 立...