2023-02

通常ストーリー

月最終話 それでもずっと傍に

私は恐る恐る小屋の中に足を踏み入れた。〇〇「ヘラクレス?」ヘラクレス「うう……うぁあぁ!」〇〇「っ……!」奥から聞こえた咆哮に、肌がびりびりと震える。〇〇「ヘラクレス……!」ヘラクレス「!」彼の名前を呼ぶと、息を呑む声が聞こえた。ゆっくりと...
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月9話 黄金の林檎

ネメァの後を追い、私はヘラクレスの元へ走った。やがて、空が朝日に燃えるように赤く輝き始めた。(ヘラクレス……)――――――――――ヘラクレス「ごめん……」――――――――――あの時の苦しそうな表情を思い出して、胸が締めつけられる。(あのまま...
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月8話 苦しみの中で

ヘラクレスは男の首を掴んだまま振りかぶった。〇〇「やめて!」震える足で駆け出すと、私は彼を後ろから抱きしめた。けれど、彼は腕を止めることができず、そのまま男を力任せに木に投げつける。〇〇「っ……!」反動で私の体が後ろに吹き飛ばされる。〇〇「...
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月7話 力の暴走

ヘラクレス「彼女に……手を出すな……!」荒い息を吐き出し、ヘラクレスは男の首を掴み上げる。ヘラクレス「……」男「ぐっ……!」〇〇「ヘラクレス!」震える声で、彼の名前を叫んだ。けれど、彼は私を一瞥すると、再び男へ視線を戻した。ヘラクレス「オレ...
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太陽SS 傍にいて欲しい

花びらが風に乗って空へと舞い上がる。(母さんはこの景色をいつも見ていたのかな……)寂しいような、悔しいような、言い表せない気持ちが溢れて……オレは母さんの墓をただ見つめていた。ヘラクレス「……」繫いだ彼女の手が温かい…―。(こういう時、誰か...
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太陽最終話 花びらに包まれて

夜が明け、透明な日の光が降り注ぐ…―。川沿いを歩き続け、私達は花畑にたどり着いた。ヘラクレス「到着~」〇〇「到着?」私に笑顔を見せると、彼は色とりどりの花畑を進んでいく。その後を追うと…―。ヘラクレス「オレの母さん」花々に囲まれた小さな墓が...
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太陽9話 胸に宿る気持ち

男「消えろ、狂気の王子!」ヘラクレス「!」突進してくる男に、ヘラクレスはとっさに腕を振り上げた。〇〇「ヘラクレス!」けれどヘラクレスは、男の目の前でその手を止めた。男「!」ヘラクレス「もう、帰りなよ。ほら、家族の人も心配してるかも。 だから...
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太陽8話 取り戻す強さ

力の抜けた足で何とか立ち上がると、ヘラクレスに近づく。ヘラクレス「……」私が近づくと、彼が怯えたように体を震わせた。〇〇「ヘラクレス、その人を離して」ヘラクレス「……」〇〇「お願い、ヘラクレス」彷徨う彼の視線が、ようやく私を見つめた。彼の荒...
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太陽7話 抑えきれない力

荒い息を吐き出し、ヘラクレスは男の首を掴み上げる。ヘラクレス「……」男「ぐっ……!」ヘラクレス「……お前が悪いんだ」唸るように言うと、彼は手に力を込めた。(やめて……!)――――――――――ヘラクレス「戦いたくはないけど、向かってくるなら仕...
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第6話 彼を狙う者

暗闇から出てきて、男はヘラクレスを見てニヤリと笑った。男「ヘラクレス王子、やはりご無事でしたか」ヘラクレス「その腰帯……母上の物だね」ヘラクレスは男の腰に巻いた帯を見つめつぶやいた。男「いかにも、これはヘラ様から賜った物。 あなたを消せと命...