2023-02

通常ストーリー

月最終話 優しさ、全てを……

◯◯「……祈念の儀はいいんですか?」ヒノト「今さらだよ、俺は君をこの部屋に連れ込んだ時からサボる気だったし……」ため息交じりにそうつぶやく彼の近くに腰かける。◯◯「……」ヒノト「……」しばらくの間は沈黙だけが流れた。暗い部屋の中で、窓の外に...
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月9話 心に刺さった棘

窓から見る夜空は寂しくなるくらいに澄んでおり、月はただ静かに佇んでいた。一人残された私は客間へ戻ってそんな空を眺めていた。(私、どうしたらよかったのかな……?)暗い気持ちで眺める夜空の下には煌々と輝く街の光が見える。秘書官「姫様、よろしいで...
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月8話 欲しいのは……

夜の街で、彼が私に深く囁いた言葉…ー。ヒノト「もう……優しいだけの俺じゃいられないから……」甘く強引な声で私の心を騒がせた彼に、私はその場から連れ去られた。ヒノトさんは、これまでの優しい顔をどこかへ置いてきてしまったかのようで……◯◯「ここ...
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月7話 もう逃がさない

ようやく夜の九曜の街で彼の姿を見つけることができた。ヒノト「……どうして来たの?」◯◯「……」伝えようとしたはずの言葉が喉元でつっかえて出てこない……ヒノトさんが浮かべた苦しげな表情は少し怖いくらい真に迫っていた。ヒノト「一度、振ったくせに...
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太陽SS 俺の特別な人、君の特別な人

○○「隣にいてくれたら、誰でもいい……?」○○に、そう言われた後…―。(参ったな……)俺は部屋でひとり、さきほどのことを思い返していた。(やばい。結構、傷ついてる)彼女の言葉を思い出すと、心がひどく軋んでしまう。明るい太陽の光も、新年を前に...
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太陽最終話 逃避行の果て

祈念の儀が終わりを迎えるや否や、私を抱きかかえてその場からヒノトさんは駆け出した。〇〇「ヒノトさん!? いいんですか?」駈ける彼の背後に秘書官の方の声がかかる。ヒノト「いいんだよ、今年はカノエの一族の年だもの。俺はもうお役御免。 儀式は大事...
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太陽9話 隠れた優しさ

ー----〇〇『ここは……?』ヒノト『祈念の儀がこれから行われる神楽殿だよ』ヒノト『うん。俺の代は去年だったから、その時に見せてあげられたらよかったんだけど……』ー----目の前で繰り広げられた祈念の儀はそれは感動的な催しだった。幻想的な笛...
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太陽8話 恋を知って

夜の街に神事を前にした幻想的な明かりが灯る中…-。〇〇「待って! 私の話を聞いてください」私はその場から去ろうとするヒノトさんを呼び止めた。〇〇「本当にごめんなさい……私、ヒノトさんの気持ちを疑ってたんです。 あまりに急だったから、すぐに信...
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太陽7話 背を向けないで

九曜の街並みが、月明かりに照らし出されている…-。〇〇「ごめんなさい……私、ヒノトさんにひどいことを」ヒノト「ううん、俺の方こそこの間は急に帰っちゃってごめんね」〇〇「でも悪いのは私で…-」ヒノト「いや、何も言わなくていいんだよ。俺もあれか...
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第6話 解けた誤解

城の回廊から見る庭先は、初めてこの城に来た時と同じく美しい。けれど同じはずの風景が、今日の私には色褪せて見える……ー---ヒノト「いいよ、大丈夫。でも、ちょっと痛いところ突かれちゃったな……。 ……ごめん」ー----(私の言葉で傷つけてしま...