2023-02

降りしきる冷たい雨の中…－。ミリオン「……」ミリオンくんはぼんやりと空を見上げ、その場に立ち尽くしていた。（ミリオンくん……？）彼の美しい瞳が仄暗い陰りを帯びたように見えて、一瞬、声をかけるのがためらわれた。〇〇「あの、ミリオンくん……？」...

謁見の後は、ミリオン王子が自らこの国を案内してくれることになった。〇〇「お忙しいのに、付き合ってもらっていいんですか？」ミリオン「もちろん。〇〇はこの国の大切なお客様なんだから。　王子である僕が案内するのは、当然のことだよ」そう話しながら、...

光輝の国・シンセア　奏の月…－。豊かな暮らしを育み、経済成長を続けるシンセアは、今、世界中の人々から最も憧れられている国の一つだ。ミリオン「トロイメアの姫、ようこそ我がシンセアへ」世界に居並ぶシンセアで、優れた手腕を発揮しているのが、このミ...

覚醒前第1話　不思議な魅力第2話　冷たい雨第3話　庭園の子猫第4話　魅惑のダイヤモンド第5話　晩餐会の後で第6話　執務室での秘め事太陽覚醒太陽7話　視察先での凶事太陽8話　憂いの国での王子太陽9話　本当の彼太陽最終話　100万人の笑顔太陽S...

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太陽が傾きかけ、頬を撫でる風は一層冷たくなっていく…―。（顔が熱い……）そんな中、私は火照る頬を押さえ、どうにか鼓動を落ち着けようとしていた。フロスト「どうした？　まだ大凶が不安なのか？」（そうじゃなくて……）答えられずにいると、子ども達が...

（どうか、フロストさんに何も起こりませんように……）空にお祈りをしたけれど……大凶の文字が頭をよぎり、ため息を吐いてしまう。フロスト「大凶を引いたのは俺なのに、何でお前がそんな顔をする？」フロストさんが私の手からおみくじを取り上げ、無造作に...

フロストさんの嫉妬が嬉しく、背中に寄り添ってからしばらくの時が経ち……フロスト「おい、あれを見ろ」照れ隠しなのか、フロストさんが近くの建物を指し示す。フロスト「おみくじ、と書いてある。確か、一年の吉兆を占うものではなかったか」○○「はい。引...

吹き抜ける風は冷たく、木々の梢をサラサラと揺らしていく。○○と肩を並べて劇を鑑賞しながら、俺は彼女の横顔を見つめた。（……寒くはないだろうか）劇に見入っている彼女は、俺の視線に気づかない。何度も首を傾げながらも、一心に劇に見入る彼女を可愛ら...

木枯らしが枯葉を巻き上げ、私達の間を通り抜けていく…―。フロスト「アンコなしのダンゴとやらも、悪くはない」あんこなしのお団子を食べ終えたフロストさんが、微笑みを浮かべる。フロスト「これはこれでなかなか美味かった」（よかった）ホッとして、私は...