月7話 調査

翌朝…―。

心地の良い朝日を浴びながら身支度をしていると、扉がノックされた。

リカ「おい、いるか?」

(こんな早くから!?)

慌てて髪を梳かして扉を開ければ、普段と変わらない彼がそこにいた。

リカ「よし、出かけるぞ」

〇〇「え? 出かけるって……」

返事もしないままに私は彼に手を引っ張られて…―。

やって来た先は昨日と同じショコルーテのメインストリートだった。

リカ「まずは……飯でも食べるか」

〇〇「……はい」

リカ「何が食べたい? ……なんでもいいって回答はなしな」

〇〇「えっと……」

(連れて来られるまま来たけど、リカさんどんな用事があって私を?)

〇〇「今日って、何かあるんですか?」

リカ「……ん?」

リカさんは様々なショップが立ち並ぶ大通りを見て、猫のように目を細める。

〇〇「……?」

彼の視線の先を目で追いかけると、チョコレートショップの他にも、アパレルショップや雑貨屋などがあり、街は人々で賑わっている。

私はその中にスイーツをモチーフにしたアクセサリーショップを見つけた。

(あ、あのお店のアクセサリー可愛い……)

思わず唇をほころばせた私を見て、リカさんが店先を指差した。

リカ「あの店、覗いてみる?」

〇〇「いいんですか?」

リカ「見たいんだろ」

〇〇「はい、お願いします」

口元だけふっと笑った彼が手を握ってくれる。

(リカさんは今日、お仕事とか……時間は大丈夫なのかな?)

気になりながらも手を繋いで、肩を並べながらショーウィンドウを見れば、心は嬉しさに弾み始めてしまう……

(あ、このネックレス、リカさんがバッグにつけてるのに少し似てる?)

私は彼の手にあるバッグと目の前のアクセサリーを見比べた。

ホワイトチョコレートのようなプレートに真っ赤なイチゴと、ダークチョコレートをあしらったデザインが可愛らしくて、見てるだけでも楽しくなってくる。

リカ「お前……こういうの好きなの?」

〇〇「はい、可愛いですよね。あと少しだけリカさんっぽいなって……」

リカ「……俺っぽい? これが?」

〇〇「はい。あ、私……何かおかしなこと言いましたか?」

不思議そうな瞳で見つめられて、自分が口にした言葉が今さら恥ずかしくなる。

リカ「別に変じゃないだろ」

アクセサリーと私の顔を彼の切れ長の瞳が交互に行き来する。

その時、真剣な顔をしたリカさんの顔が微かにほころんだ。

リカ「そっか……わかった気がする」

〇〇「なんのことですか?」

リカ「ナイショ」

そう言ったリカさんの唇は悪戯っぽい三日月を描いたのだった…-。

 

 

 

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