太陽6話 優しい暗闇

ゆっくりと目を開けると、しとしとと窓を叩く雨の音が耳を優しく覆う。

キース「気がついたか」

声のする方を振り向くと、キースさんがすぐ傍に腰を掛けていた。

〇〇「キースさん……っ」

(私……倒れてしまって)

ベッドに寝かされていた私は、あわてて起き上がろうとする。

キース「寝ていろ。今水を用意する」

〇〇「ごめんなさい、私……!」

キース「ひどい熱だ……昨日も今日も雨に濡れさせてしまったからな」

〇〇「また、ご迷惑を……!」

キース「別にいい」

キースさんは、私のまぶたにそっと手を載せる。

キース「……もう少し、眠れ」

彼の優しい声が私の胸に響く。

優しい暗闇の中で、私はそっと瞳を閉じた…-。

 

 

<<第5話||太陽7話>>