太陽7話 夜に消えゆく人

夜になっても、建物の明かりやたくさんの街灯で、街は煌々と輝いている。

その光の中に真琴君が消えていってしまいそうに思えて、彼の背中を必死で追った。

○○「真琴君・・・・待って・・・・!」

真琴「うるさいなぁ。協力してくれないんだったら、君にもう用はないよ。 さっさと帰りなよ」

冷たく言い放たれる言葉に、胸が痛むけれど・・・・

(真琴君を、放っておけない・・・・)

○○「真琴君・・・・」

名前を呼ぶと、真琴君は私の方を振り返り、射抜くような視線を向けた。

真琴「・・・・何、死にたいの?さっきのでわかったと思うけど、僕といると危ないよ」

○○「そうじゃなくて・・・・」

真琴「死にたいなら・・・・僕が殺してあげるけど?」

○○「・・・・っ」

冷徹な、そしてどこか投げやりな声が私の胸を締めつける。

けれど、そう言う真琴君が、なぜだか泣き出してしまいそうに見えて・・・・

○○「真琴君・・・・」

思わず彼に腕を伸ばした。

真琴「・・・・!」

急に強く腕を引かれ、彼の背後に引き入れられる。

○○「・・・・!」

一台の車がものすごい勢いで、私のいた場所を通り過ぎて行った。

真琴「相変わらず・・・・治安が悪いなあ。 昔はこんなじゃなかったのに」

○○「あの・・・・ありがとう」

真琴「・・・・」

真琴君は何も言わず、その場に立ち尽くしていた。

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真琴「父さんも、母さんも・・・・僕の大切なものを、全部・・・・!僕はこいつらを許さない!父さん達を殺して、のうのうとでかい顔して生きてるこいつらを・・・・。 全員に、死ぬより辛い苦しみを与えてやるんだ・・・・あははははっ!!」

ー----

(私がこんなこと言える立場じゃないことはわかってるけど・・・・)

(このまま復讐を続けたら、真琴君は・・・・)

○○「真琴君・・・・復讐を、やめて欲しい」

勇気を出して彼にその言葉を投げかける。

真琴「君にそんなこと言われる筋合いはないよ。 復讐は、僕の生きる理由だ」

そう言った真琴君の瞳は、虚ろだった。

○○「でも・・・・じゃあどうして、泣きそうな顔をしているの? 真琴君の辛そうな顔は・・・・見たくないよ」

思わず、彼の手を握ってしまう。

当然、振り払われるかと思ったけれど・・・・

真琴「・・・・」

(えっ・・・・)

握っている手に、真琴君の力が微かに込められたことを感じた。

真琴「・・・・母さんも、小さい頃よくこうして手をつないでくれたな」

独り言のように、ぽつりと真琴君がつぶやいた。

○○「・・・・!」

泣いてしまいそうなくらい切なさが込み上げて・・・・

握り返された彼の手を、両手で包み込んだ。

(真琴君・・・・)

真琴「・・・・温かい」

氷のように冷たい彼の手が、少しでも温まって欲しい。

そんな願いを抱きながら、私は真琴君の手をいつまでも握っていた・・・・ー。

 

 

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