太陽9話 三日月と紅茶

窓の外で、下弦の月が輝いている…-。

最後のレッスンを終えた私は、ジョシュアさんに深夜のお茶に招かれていた。

(明日の建国際……大丈夫かな)

(せっかくレッスンしていただいたんだから、頑張らなきゃ)

自分にそう言い聞かせるものの、不安で胸がいっぱいになっていく。

ジョシュア「はい、今日は蜂蜜入り」

ジョシュアさんが紅茶の入ったカップを渡してくれる。

ここのところ、レッスン後のお茶会は日課になっていた。

ジョシュア「それで?なんでそんな顔してるの?」

○○「え?」

ジョシュア「不安そうだけど」

(何でも、お見通しなんだな)

私はますます顔をうつむかせる。

ジョシュア「……心外だな。誰がマナーを教えたと思ってるの?」

そんな私の顎を、ジョシュアさんは指で持ち上げた。

(そんなに見つめられると……)

真っ直ぐに目を見つめられ、私は視線をそらしてしまう。

ジョシュア「君にあと必要なのは、自信だけだよ。……ね?」

私を覗き込むジョシュアさんの瞳に、三日月が映っている。

不安に震える心に、彼の言葉が魔法のように溶け込んでいった…-。

 

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