太陽6話 炎の中で

燃え盛る小屋の中、必死に子猫を探す。

(どこにいるの……!?)

そのとき、微かに子猫の鳴き声が聞こえた。

○○「あ……っ」

毛布の影から、子猫がよろよろとした足取りで出てくる。

○○「よかった……!」

抱きしめると、子猫の体はとても熱くなっていた。

(こんなに熱くなって……)

腕の中で、子猫が震えている。

○○「もう少し頑張ってね、すぐに外に出してあげるから」

子猫に励ますように声をかけた時……

大きな柱が音を立てて落ちてきた。

○○「……っ!」

なんとか柱をよけて、子猫を守る。

でも、出口への道が塞がれてしまい、もうどうすることもできない。

○○「……」

恐怖で体が動かなくなっていく。

燃え盛る炎が迫り、息をすることすらままならなくなって……

○○「サイさん……助けて……」

無意識に、彼の名前を呼んでいた。

サイ「○○!」

○○「サイさん……!」

見上げるとサイさんが、燃え盛る炎の中、私に手を差し伸べてくれていた。

サイ「○○……!」

彼の手を強く握ると、力強く私の体を引き寄せてくれた。

○○「サイさん……っ!」

子猫を抱きながら、すがるように彼の胸に飛び込むと、ぎゅっと抱きしめてくれた。

サイ「馬鹿……! 君は本当に……」

サイさんの腕に抱かれ、心細さが消えていく。

(サイさん、とっても熱い……)

サイ「子猫は僕が抱くから、絶対に手を離さないでね」

炎の中、サイさんがしっかりと私の手を引いてくれる。

赤く染まる小屋の中、彼の耳飾りの蒼い輝きが私を導いてくれた…-。

 

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