太陽7話 彼の変化

式典が無事に終わり、私たちは城に戻ってきた。

○○「良かった……すごく心配したよ」

アルマリ「そうだよね、ごめん……心配かけて」

アルマリは、目を細めて私を見つめてくる。

その優しい表情に、胸がトクンと跳ねた。

(あれ……私……?)

アルマリ「式典も終わったし、またあの花畑に行こうか」

○○「……う、うん」

そしてお花畑へと向かおうとすると…―。

少し離れた場所から、式典のことを噂する城の人達の声が聞こえてきた。

兵士「アルマリ様、お一人でも大丈夫だったな」

メイド「本当ですね、トルマリ様がいつも先導してらっしゃいましたが」

(皆さん、アルマリのこと褒めてる……)

兵士「トルマリ様は、女装が趣味の変な方だからな。国を継ぐなら、アルマリ様がいいさ」

(えっ……)

メイド「ええ。女装が趣味の国王なんて、他国からの笑い物になりますから」

(そんな……)

隣にいるアルマリを見ると、眉をしかめて、唇をかみしめていた。

かける言葉を見つけられないでいると……

メイド「でも、トルマリ様はすごく可愛いわ。もしかしたら、あのトロイメアのお姫様よりも……。 トロイメアの姫君ってどんな方かと楽しみにしていたのに……普通の街娘のようで」

今度は、噂話の矛先が私に向けられた。

(そうだよね……私、お姫様っぽくないし……)

その時…-。

アルマリ「○○のことを悪く言うな!」

○○「……!」

声を荒げ、アルマリが兵士さんとメイドさんの前に立ちはだかった。

(アルマリ……!)

兵士「ア、アルマリ様……!」

アルマリ「トルマリのことも……そんな風に言わないで欲しい」

アルマリが眉を潜め、顔をうつむかせる。

その表情に、胸が締め付けられる。

アルマリ「行こう、○○」

アルマリが私の手を引いて、その場から歩き出した。

……

○○「ア、アルマリ……」

握られた手の力強さに、胸がどきどきと音を立てている。

アルマリ「……」

アルマリは立ち止まり、手を離して私に向き直った。

アルマリ「……ごめん」

○○「き、気にしてないよ、私、本当に普通の人だから……」

自嘲するように笑うと、アルマリが首を振った。

アルマリ「……そんなことない。 ○○は、きらきらしてるよ」

(アルマリ……)

蒼い瞳に、私がしっかりと映し出されている。

○○「……!」

その真っ直ぐで強い瞳の輝きに、胸がトクンと跳ねた…
―。

アルマリ「行こう、○○」

○○「う、うん……!」

(アルマリ、なんだか……変わった?)

アルマリの凛とした雰囲気は、とても精悍で……

私の心の中で、何かが音を立てて弾けていた…-。

 

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