第5話 三角関係デート

デートストリートバスケの大会から、一週間…―。

ヴォタリアの空には、相変わらず濃い雲が垂れ込めている。

けれども……

ウェディ「……」

セロ「……」

今、この場には、曇天よりもさらに重い空気が漂っている。

(どうしよう……まさかこんなことになるなんて)

ストリートバスケの大会後、二人から同時に遊びに行こうと誘われた私は、どちらか一方を断るのも気が引けてしまい……結果、こうして3人で過ごすことになった。

(二人共、試合の時より雰囲気が悪いような……)

重苦しい空気に、つい軽くため息をつくと…―。

ウェディ「どうしたんだ!?疲れたのか?」

セロ「どこかで休憩でもするかい?」

ウェディ「うるせェ!テメェは口出すんじゃねェ!今はオレがしゃべってんだろ」

ウェディくんは、セロさんには渡すものかとでもいうように、私の体を抱きしめる。

○○「っ、ウェディくん!?」

ウェディ「……だって、○○がほかのヤツとしゃべるの嫌だ……」

○○「えっと……」

(どうしたらいいんだろう?このままじゃ……)

○○「あの、私、喉が渇いたから何か飲み物を買ってくるね」

セロ「ああ。それなら、俺が…―」

ウェディ「オレが買ってきてやる!」

そういうなり、ウェディくんはその場から駆け出してしまった。

○○「……」

セロ「……」

気まずい沈黙が、残された私とセロさんの間に広がる。

(ど、どうしよう。何か話さないと……)

その時だった。

セロ「○○さん!」

○○「えっ……!?」

セロさんは、いきなり私を抱きしめ……その一瞬の出来事に、私はすっかり固まってしまう。

セロ「すみません……その……あなたみたいな人って、このヴォタリアにはいないから……。 一目見た時から、好きになってしまったんだ……」

(え……!?そ、それって……)

驚いて顔を上げた、その時…―。

私の視界に、こちらを呆然と見つめるウェディくんの姿が飛び込んでくる。

そして……

ウェディ「な……お、お前ら……っ」

○○「! ウェディくん……!?」

ウェディくんの表情は、見る間に険しくなり……彼の足元は、紫色の霧が立ち上り始めた…―。

 

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