太陽最終話 受け入れた嫉妬

ウェディくんからの告白をされてから、数日後…―。

ー----
セロ「返事はすぐじゃなくていい。3日後の夕方、この場所で聞かせてほしい」
ー----

私は、セロさんとの約束の日を迎えていた。けれども……

ー----
ウェディ「好きだ……。 けど、どうしたらいいんだよ……。 お前が好きだからって、友達を傷つけたりするなんて……オレ、最低じゃねェか。 そんなの嫌だ……嫌なんだよ……」
ー----

あの日以来、ウェディくんの絞り出すような声が、頭を離れない…―。

(それに……)

私は、両手をそっと胸に当たる。

(あの時の、胸の高鳴りは……)

○○「……」

(……セロさんには、きちんとお断りしないと)

(今、私の心の中にいるのは…―)

私はソファから立ち上がると、セロさんとの約束の場所へと向かうべく、部屋を後にした…―。

……

セロ「○○さん、来てくれてありがとう」

セロさんは、そう言いながら私に微笑みかける。

けれども、すぐに真剣な表情へと変わり……

セロ「それで……あなたの気持ちは?」

彼は私を真っ直ぐに見つめ、答えを待っている。

そんなセロさんを、私も真っ直ぐに見つめ返して口を開く。

○○「私は……」

その時だった。

??「ちょっと待ちやがれっ!!」

大きな大きな叫び声が、夕日に染まる街に響く。

私とセロさんが声の方へと視線を向けると、そこには…―。

○○「ウェディくん!?」

セロ「……」

ウェディ「……」

二人の間に、緊張が走る。

そうして、しばらくの後……

ウェディ「……セロ」

先に口を開いたのは、ウェディくんの方だった。

ウェディ「ごめん、セロ……オレは○○が好きなんだ! 友達も大切だけど、○○への好きはもっと特別だから、お前に嫉妬する。 好きだから嫉妬を抑えられない、ならオレはこの気持ちも受け入れる……だから…―」

その瞬間、ウェディくんの瞳に強い色が宿る。

そして……

ウェディ「コイツはオレのものだ!お前にも誰にも渡さねェっ!!」

○○「……!」

ウェディくんは、高らかに言い放つや否や、私の手を取って勢いよく駆け出した。

セロ「お、おい、ウェディ!」

背後から、セロさんの声が聞こえる。

けれども、走り出したウェディくんは立ち止まることなく、私の手を引いて、街の中を駆け抜けたのだった…―。

……

私達は街を駆け抜け、ヴォタリアの城へと戻ってきた。

けれども、ウェディくんは私の手を離すことなく……私はそのまま、彼の寝室へと連れ込まれた。

ウェディ「…………」

○○「ウェディくん……?」

彼が、真っ直ぐに私を見つめる。

その瞳には、深い嫉妬の色のようなものが宿っていて……ずっと見ていたら吸い込まれてしまう気がして、思わず背を向ける。

○○「あの、私…―」

ウェディ「何も言うんじゃねェ!!」

○○「……っ!?」

スチル(ネタバレ注意)

ウェディくんの温もりを背中に感じた、次の瞬間……彼は私の顎を持ち上げ、強引に唇を奪った。

○○「ウェディく…―」

わずかに顔をそらし、彼の名前を呼ぼうとするものの、すぐに柔らかな唇で遮られてしまう。

○○「っ……」

口づけは、どんどんと熱を帯びてゆき……まるで、ウェディくんの持つ大きな嫉妬の感情に呼応しているようだった。

そうして、私がその熱に呑まれそうになった瞬間…―。

ウェディ「……オレは……」

ウェディくんはわずかに唇を離すと、私の目を真っ直ぐに見つめながら言葉を紡ぐ。

ウェディ「オレは、お前がほかの男と一緒にいるのは耐えられない、どうしても嫌だ! ○○にはオレだけを見て欲しい、オレだけを考えて感じて欲しいんだ……。 こんな気持ちはやっぱり醜いかもしれないけれど……」

ウェディくんはそこまで言うと、苦しげに眉を寄せる。

そんな彼に、私はゆっくりと首を振り……

○○「そんなことないよ」

未だ嫉妬の色が宿る彼の瞳を見つめ、柔らかく微笑む。

ウェディ「!……○○……」

○○「……っ」

もう一度、彼から熱い口づけが落とされる。

熱く深い口づけは、私の何もかもを奪い取るかのような激しさで…―。

そうして彼は、私の体をきつくきつく抱きしめた。

ウェディ「誰にも渡さねえ……お前はオレの、オレだけのもんだ。わかったか?」

嫉妬の感情に突き動かされる彼の言葉に、私は静かに頷き……その身の全てを、愛しい彼へと捧げたのだった…―。

おわり

 

<<太陽7話||太陽SS>>