太陽7話 知らなかった嫉妬

ウェディくんが、セロさんを殴ってしまってから一夜が明けた。

ヴォタリアの城の窓から眺める空は、相変わらずの曇りも模様で……

まるで、どんよりとした私の心を映し出しているようだった。

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セロ「返事はすぐじゃなくていい。3日後の夕方、この場所で聞かせてほしい」

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(帰り際に、セロさんはああ言ってたけど……)

ウェディ「あ……あぁ、オ、オレ……なんでこんなこと……。 これは……この胸の内側から溢れてくるぐちゃぐちゃの感情は……」

(ウェディくん、すごく混乱してたけど、大丈夫かな……?)

走り去っていった時のウェディくんの姿が、忘れられない。

(やっぱり心配だな。少し様子を見に行った方が……)

そう思い立った私が、部屋を出ると……

執事「これは○○様。お出かけですか?」

扉の前を通りがかった執事さんが、にこやかに声をかけてくれる。

○○「はい。ちょっと、ウェディくんのところに……」

執事「左様でごさいますか。ですが、あいにくウェディ様はお出かけになられておりまして……。 恐らく、街の方にいらっしゃるかと思いますが……」

○○「そうなんですね。それじゃあ私も、街の方に行ってみようと思います」

私は執事さんに一礼をした後、ヴォタリアの街へと向かった。

……

ヴォタリアの街にやってきた私は、早速ウェディくんを探し始める。

けれども、街は相変わらず薄暗く……

(やっぱり、一人で街中を歩くのは、少し怖いかも……)

私はそう思うながらも、ウェディくんの姿を探し求める。

そうして、しばらくの後……

ウェディ「……○○?どうしてここに……?」

ウェディくんは、以前私を案内してくれた石碑の前に佇んでいた。

そんな彼に、私が歩み寄ろうとした次の瞬間…―。

ウェディ「来るんじゃねェ!」

○○「……っ!」

彼の口から飛び出した拒絶の言葉に、体がびくっと震えてしまう。

ウェディ「……悪ィ。 だけど……もう、嫌なんだよ……こんな感情……っ!」

○○「え……?」

私は、苦しげに顔を歪める彼を見つめる。

ウェディ「オレは、お前を見てると……。 胸の中がぐるぐるして、苦しくて辛くて、でも嬉しくて……。 なのに時々、今まで感じだどんな感情よりドス黒いものが噴き出てくる……こんなのオレは嫌だ!! こんなに辛いなら……お前のこと好きになんてなりたくなかった!」

○○「……!」

(好き……?ウェディくんが、私を……?)

その瞬間、鼓動が大きく高鳴り……切なげに叫ぶ彼の姿を思い返すと、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。

そして……

○○「ウェディくん……」

ウェディ「……!や、やめろよ!来るんじゃねェって言ってんだろ!」

ウェディくんは、なおも拒絶の言葉をぶつけてくるものの、私はそれに構うことなく、彼の震える拳で包み込んだ。

すると……

ウェディ「あ……」

ウェディくんは小さく声を上げたものの、私の手を振り払うことはなく……

彼の拳の震えは、少しずつ治まっていった。

そうして、しばらくの後…―。

ウェディ「……○○っ!」

○○「……!」

彼の腕が、痛いほど強い力で私を抱きしめ……その瞬間、私の心臓は再び大きく跳ね上がった。

ウェディ「好きだ……。 でも、どうしたらいいんだよ……。 お前が好きだからって、友だちを傷つけたりするなんて……オレ、最低じゃねェか。 そんなの嫌だ……嫌なんだよ……」

彼の真っ直ぐな気持ちが、胸に突き刺さるようで……私はそれきり、何も言えなくなってしまった…―。

 

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