第1話 アヴァロンの騎兵隊

武器の国・アヴァロン 薫の月…-。

堅固な城壁に囲まれたアヴァロンの城下町は、武器や防具の看板を掲げた多くの商店で栄えていた。

道行く人々の多くも、傍らに剣を携えている。

(さすが、武器の国……)

私は活気溢れる町を眺めながら、招待してくれたカリバーン王子に会うため、城を目指した。

しばらく進み、遠くに城の姿が見えてきた頃…-。

町の男性1「アヴァロン王家の騎兵隊だ……!」

馬に跨ったアヴァロンの騎兵隊が、隊列を組んで町を歩いている。

町の男性2「いつ見ても、迫力があって勇ましいな」

町の女性1「凛々しいお姿……見惚れてしまうわ」

町の人達は歩みを止め、気高い騎兵隊の姿を眺めながら、感嘆の声を漏らしている。

(皆が言うとおり、本当にかっこいい……)

粛々とした騎兵隊の行進に目を奪われていると、彼らは私の元へと近づいてきて……

(あれ……?)

先頭で隊を率いていた人が、馬から下り、恭しく頭を下げた。

美しい礼服使用の軍服がよく似合うその人こそ、私を招いてくれたカリバーン王子だった。

カリバーン「お迎えにあがりました……○○様」

○○「カリバーンさん……!」

カリバーン「遅くなってしまってすみません。姫、お手をどうぞ」

まるで物語の中の騎士のような振る舞いに、胸が高鳴る。

ドキドキしながら、差し出された手を握り返した。

カリバーン「失礼」

カリバーンさんは力強い腕でぐっと私を引き上げ、馬上へと導いてくれた。

カリバーン「では、城へ向かいます」

○○「はい……」

沿道の人々は、城を目指す私達に向かい、歓声を上げながら手を振ってくれる。

私はカリバーンさんの精悍な姿に、面映ゆい気持ちを覚えたのだった…-。

 

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