人影のない穴場の入江を見つけた私達は、アイスを買うため、一度その場を離れた。
入江からパラソルの乱立するビーチまでそう離れていなかったのに、こちらは別世界のような賑わいだ。
陽影「うわ……!この人出じゃ、街中にいるのと変わらないな」
この混雑した海の様子は、陽影さんの思い描いていた景色と違うのだとすぐに気づいた。
(ほんと、あの場所を見つけられてよかった……)
陽影「オマエ、何味にする?」
○○「あ、えっとイチゴがいいです」
陽影「わかった!買ってきてやるからちょっとここで待ってろ!」
○○「ありがとうございます」
返事も聞かずに駆けだした陽影さんの背中に、私は慌ててお礼を伝えた…―。