太陽7話 落ち着きを取り戻した城で

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アポロ「多少は、会いたいと思った」

アポロ「そう、その呆けた顔が早く見たいと思ったのだ」
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それから…ー。

アポロを連れて、私は彼の部屋へと戻った。

太陽は既に落ち、外には漆黒の闇が広がっている。

急襲を受けて騒然となっていた城内も、アポロの帰還によって落ち着きを取り戻し始めている。

アポロ「く…っ」

(苦しそう…力を使ったから)

○○「アポロ…ありがとう、助けてくれて」

そっと、汗に濡れた彼の前髪を掻き上げる。

アポロ「礼などいらん。元はと言えば、俺が講じたことだ」

○○「…でも」

彼は苦しそうに浅い息を小刻みに続けている。

アポロ「だがしばらく…力は使えぬな」

アポロが胸の刺青に手を触れた、その時…ー。

兵士「アポロ様…っ!!」

突然、扉が開き、剣を振りかざした兵士達が部屋の中になだれ込んできた。

アポロ「…なんだ、貴様ら」

ただならない気配を察したアポロが立ち上がり、私を背に隠した。

兵士1「ダイア様からのご命令です…今のあなたは、力が使えない」

兵士2「討ち取れなければ、私達が今度はダイア様に殺されてしまう…!」

そう叫ぶや否や、兵士達はアポロに斬ってかかってくるけど…

アポロ「…っ」

アポロは素早くそれをかわし、兵士達を次々に地面へ叩きつけた。

兵士1「う、ううっ…」

アポロは、兵士を蔑んだ眼差しで見下ろした。

アポロ「覚悟の上か」

兵士「あっ…あ…」

床に転がした兵士の喉元を、靴で踏みつけながら、アポロが低い声で問う。

見ているだけで…身がすくんで動けなくなるような、恐ろしい光景だった…

アポロ「覚悟の上かと聞きいている」

ぐっとアポロの足が踏み込まれる。

兵士は恐怖のせいか、呼吸を奪われたせいか、そのまま失神してしまった…

○○「…アポロ…」

アポロ「…腑抜けだ」

床に倒れた兵士達を見渡した後、アポロは吐き捨てるように言った。

アポロ「…力がなければ…やはり支配できない」

○○「アポロ、それは…ー」

アポロ「うるさいっ!!」

アポロの腕が熱を帯び、その周りが陽炎のように揺らめき始める。

○○「…駄目…!」

(力を使ったら……!)

その時…ー。

兵士3「アポロ王はこっちだ!!」

別の兵士達の声と足音が、この部屋に近づいてくる。

アポロ「くそっ…どうやらこの城には、兄の放ったネズミどもばかりがいるらしい。 …一度城を出る。来い!」

私の腕を強引に引いて、アポロは城を飛び出した。

もう片方の腕から放たれる猛炎によって、道を切り開きながら…ー。

 

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