洞窟の中でアポロと寄り添って眠っていた、翌朝のこと…ー。
○○「……アポロ?」
目を覚ますと、どこにもアポロの姿はなかった…ー。
…
……
まだ完全復帰とはいえない体を引きずり、アポロは戦地に立っていた。
侵略軍1「アポロ王子だ!!」
侵略軍2「馬鹿な……! なぜここに……!」
侵略軍3「構うな! 討て!!」
侵略軍が、アポロ一人に襲いかかる。
アポロといえど、その猛攻を防ぎきれずに負傷していった。
しかし…―。
アポロ「……フレアルージュの……俺の領には行かせんっ!」
アポロは胸元を押さえ、激しく乱暴に搔きむしった。
力強い刺青から、血がにじみ痛々しいあとを残していく……そして……
アポロ「うおおお……!!!」
火の竜を体にたずさえ、アポロは侵略軍へ突進していった。
侵略軍1「うわあああっ!!」
侵略軍2「熱い……!」
最後の力を振り絞るように、烈火をまき散らし、周りを焼き侵略軍をなぎ払う。
アポロ「ああああ!!!」
乱れ狂う炎に焼かれ、すべてが燃えさかっていく。
その威力に人々は恐れおののき、そして倒れていった……
アポロ「うぐ……あ……」
焼けゆく視界を見ながら、アポロが崩れるように地面へと倒れ込んだ。
アポロ「我が国は……守った……」
アポロのかすれた声が、炎に包まれ掻き消える……
アポロ「このような、死に際でお前に会いたいなどと。俺も随分腑抜けたものだ…。 叶うことなら……お前の顔を、今一度……」
アポロがそう強く願った時、遠くからアポロを呼ぶ声が聞こえてきた…―。
…
……