月7話 厳重な警備の城で

アポロのお兄様が攻め入った後…ー。

城は以前にも増して厳重な警備がされるようになった。

アポロ「……」

今日は、少し外の空気に当たろうと、アポロと一緒に中庭で過ごしているけれど、彼の表情は、厳しく険しいままで……

(アポロもやっぱり、神経質になってるみたいだし……大丈夫かな)

その時…ー。

兵士1「うああああああ!!!!!」

〇〇「……!?」

アポロ「……!」

突然、正気とは思えない形相をした兵士が一人、アポロに斬りかかってきた。

アポロは、素早くそれをよけたかと思うと、一瞬にして兵士の腕を殴り剣を落とさせた……

アポロ「貴様……どういうことか説明しろ!」

兵士1「うあああっ……!」

アポロは、落ちた剣を足で蹴り上げ手に取ると、兵士の首元に突きつけた。

〇〇「……っ!」

その光景に、思わず目を逸らした。

アポロ「言え。言わぬなら、斬る」

兵士が痛みと恐怖に震えながら、口を開きかける。

けれどそれよりも先に…ー。

兵士2「追い込めえっ!!!」

兵士3「うああああああああ!!」

大勢の兵士達が、中庭へ駈け込んできた。

アポロ「……どういうことだ」

アポロの体に熱がこもり始める。

(本当に……いったいどうなっているの!?)

アポロの手の上に炎が宿る。

そして……襲い来る兵士達を薙ぎ払うように焼いた。

アポロ「くっ……まだ来るか」

アポロが忌々しげに唇を噛みしめる。

アポロ「この場はやり過ごす……来い」

〇〇「え……?」

小さくそうつぶやいたアポロが、私を抱き上げる。

そうして、私達は城を追われてしまったのだった…ー。

 

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